2013年9月2日月曜日

Never Land

かつて旅行って、旅先での物語しか認識できる世界の中になかったわけだ。通信機器がないから、日本に残してきた人たちの間で進行していた物語は、全て一時停止。遠い遠い向こうで、何かが起こってるんだろうなあと想像するしかなかったわけだ。
しかし、現今。右手にiphone、左手にiPad。

土台僕の日本での一日って、つまるところ「あれしてこれしてそれもして」、でも結局「酒を飲んで眠った」につきると思う。明治大学に入学して以来、今に至るまで。働いている時も、働いてない時も、いろいろあったが、結局は酒を飲んでから眠る365日がありふれた人生。例えば違うのは、旅に出た時くらいじゃなかったか。

でだ、僕はこういう人間だから頻繁に会う人なんて限られてて、会って何をするかといやぁ、酒を飲んで話すことくらい。こっちの男みたいに、男同士でもボディタッチが多いみたいな風習は持ち合わせていないので、ただ顔を突き合わせて酒を飲む。
でさ、そういう限られた人とは、こっちでも酒を飲みながらスカイプで世間話しをしたりするわけ。日本にいる時と同じくらいの頻度で。「あの人どうなりましたか」とか「あれどうなったの」とか、いつもの調子で。

そして、こういう風に長いこと同じ場所にいると、自然と同じような友達もできるわけ。で、一日そいつといろいろあっても、結局のところ同じように世間話をしながら酒を飲んで一日が終わるわけ。
こんなことを繰り返していると、もはや日本に帰ってきているのではないか、ちょっと大西屋に忘れ物を取りがてらLOFTに旅行用品でも見に行くか、などと二日酔いの寝ぼけまなこで思うことがある。はっとすることがある。
誰それとあの映画でも観に行きたいなあ、あのインド映画の話題で盛り上がりたいなあ。などと、日本では上映されているはずもないのについ思うことがある。
もはやいろいろな物語が同時進行していて、停電状態で酩酊状態に至ると、日本でもポカラでもないネバーランドにいるのではないかとさえ錯覚する。

そうなのだ、今停電しているのだ、僕は酩酊しているのだ。そして、言いたい。
ネバーランドの創設者であるスティーブ・ジョブスとスカイプの創始者は偉大だ。
あっ、あと、フェイスブックの創始者もか。












しかし、まあ、こんな長文を書くって、雨降りで停電だから酩酊くらいしかすることがなく、酩酊したらこういう文章を書くことくらいしかすることがないからというのもある。

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